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PROJECT STORY Vol.3
長期空室対策
プロジェクト
プロジェクト概要
空室に悩む物件を「2カ月で満室」にする。
アーウィンのPM事業のキャッチフレーズは「2カ月で満室。そこからずっとサポート」。空室に困っているオーナーの代わりに収支改善計画を立て、リーシング事業部との連携によって2カ月で満室に。さらに、その先も退居者が出たら「2カ月以内に入居者を決定」することにより、長く安定して家賃収入を得られるよう継続的なサポートを行うというものだ。実際に、アーウィンが管理する約1万戸の物件の中で、空室の割合はわずかに0.2%、つまり20件以下。この少なさは、福岡市内の不動産業界においてトップクラス。どのようにしてプロジェクトを遂行しているのか、PM事業部取締役の岡藤に語ってもらった。
プロジェクトメンバー
- 岡藤 智治(おかふじ ともはる)
- 賃貸管理(プロパティマネジメント)事業部取締役
「長期空室をつくらない」という意識が違う。
「他社とは“意識”が違う。そこが大きいと思います」。長期空室物件2カ月で満室にする極意を訊ねると、岡藤はそう答え、言葉を続けた。「まず、うちは賃貸の仲介から成長した企業。リーシング事業とPM事業が共同で営業できる点は、入居者を獲得するうえで強みになります。管理している物件の入居率をより良くし、長期空室をいかにつくらないか──これはもう会社全員が共有しているミッション。各店の責任者もこのミッション最優先で動いています」。
たとえば、管理物件に退去者が出る場合はオーナーに即報告。ただちに周辺環境や競合物件の入居状況をリサーチし、最新のニーズと照らし合わせて家賃査定をスタートする。「退去者が出た場合、ほとんどのオーナー様は前と同じ条件での募集を希望なさいます。けれども、その条件がニーズと合っていない場合は空室が続き、肝心の家賃収入が途切れてしまう。そうならないために私たちはリーシング事業で集めた市場のニーズを伝え、適正な募集条件に向けて改善策を提案します」。
同時に、退居から3日以内にはインターネットをはじめすべての媒体に空室情報をアップ。岡藤曰く「適正な条件」と「素早い情報公開」によって空室の約5割は1~2週間で入居契約が決まるという。スタートダッシュが肝心だ。
情報を制する者が、空室プロジェクトを制する。
情報公開から1カ月が経つ頃には、全体の8割は入居契約が決まるという。一方で、1カ月以上契約が決まらない物件をアーウィンでは「長期予備」と呼び、次の手を打つ。
「ここからは、スピードに加えて情報収集力の勝負。なるべく早急に内装回復工事を終えて、ネットに公開している室内写真を撮り直して差し替えます。また、リーシング事業に協力を仰ぎ、近隣の格上物件をリスト化。その物件の空室状況や問い合わせ件数まで確認し、契約が決まらない原因を1つずつ潰していきます」。
自社で管理している物件はもちろん、管理していない物件の情報と入退去の動きも正しく把握しながら相場を読む。ニーズとの間に見落としているズレがないか、条件の考察は空室が埋まるまで繰り返される。時には生活のイメージが湧きやすいよう室内に家具を運び込みモデルルームを作ることや、家賃を下げられない場合は売買や大型改修工事の相談に乗ることもある。いずれにしても、正しい相場を知り得てこそ、信頼される提案ができる。情報を制する者が、空室対策プロジェクトを制するのだ。
発想の転換でリスクの多い案件をチャンスに。
アーウィンに入社してPM事業一筋約12年。様々な空室物件を満室にしてきた岡藤が今も忘れない物件がある。それは城南区の福大近くに建つ古いマンション。2015年の時点で、10室以上の空室があった。マンション周辺は学生向けの賃貸物件が密集する入居者争奪が激しいエリア。しかも、管理依頼があったのは、新入生の入学とほぼ同時期である。新入生を呼び込むにはスタートが遅すぎる。早く満室にして赤字を脱却しなくてはならない。
「オーナー様もさすがに2カ月では無理だろう、と諦めかけていましたが、何とかしようと社内でアイデアを出し合い、企業の寮として使っては?という案が出た。これだ!と士気は一気に高まりました」。士気は一気に高まった。市内で社員寮を必要としていそうな企業に片っ端から電話をかけては営業に足を運び、とある企業と寮としての賃貸契約が成立。発想の転換で見事2カ月以内の満室化に成功した。「とてつもない達成感がありました。あの経験で何でもできるぞ、と大きな自信にもなりましたね」と岡藤は振り返る。
新築マンションの建築ラッシュに沸く福岡市。その一方で、人口増加のピークが過ぎれば今後確実に空室物件は増えていく。それでもアーウィンは「2カ月で満室」のキャッチフレーズを変えない。「困っているオーナー様の力に」の合言葉の下、長期空室率「0」を目指し続ける。